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ペン入れから仕上げまでの作業説明

ペン入れ/仕上げ

フキダシ


下書きが終わったら、ペン入れをします。
コマから出ているフキダシは特に、枠線の前に描くと良いと思います。フキダシは小さすぎず、大きすぎず、文字サイズに合った大きさで描きます。投稿用は、意外と文字が大きい(20級)ので注意が必要。

場面やセリフに合わせて描き方を変えると雰囲気が出ます。文字のサイズがわからない場合は、少々面倒ですがコミックスなどを投稿用サイズまで拡大コピーするとわかりやすいです。出版社によっては、1度投稿するとスケール表のようなものや、プロ原稿の原寸大サンプルなどがもらえるのでとても便利です。
普通の「投稿用・プロ用」のマンガ原稿用紙で描かれた原稿は、普通のコミックスサイズだと、59%の縮小になります。B5雑誌だと。83%の縮小となります。

枠線

枠線は、普通のペン(太目のピグマなど)や、烏口などで引きます。(自分が使いやすいと思うもので可)同じ太さで引ける物が良いです。つけペンで引く場合、ものさしや手でこすってしまわないように気をつけましょう。太さは、0.6〜0.8ぐらいが妥当かと思います。
枠線は通常、定規で引くと思いますが、この定規がこのように
端の部分が直接紙に触れないように、段差があるものを使用してください。
段差がないものだと、インクがたれたりして原稿が汚れやすいです。
そして、ペンにインクをつけすぎると、段差がある定規を使っていてもインクがたれて汚れてしまいます。
一番大事なのは、こまめに定規をティッシュで拭くことです。
これがしっかりできていないと、定規を使っているうちに原稿が汚れてしまいますので、枠線に限らず、定規を使った時はこまめに拭きます。
また、烏口とは、右の写真にあるものですが、真中の隙間の部分にインクが入る形で、右のねじのような部分で枠線の太さを調整できます。そのため、均一な線がひけます。ですが、無理にこれを使う必要もないので、使いやすいものを使って下さい。
烏口やペンなど画材詳細はこちら

ペン入れ

人物のペン入れですが、コマからはみ出ても、後でホワイトで修正すれば良いので、はみ出しは気にせず描きます。無理にはみ出さないように描くと、コマの手前で線が止まってしまって見た目が悪くなったり、線がぎこちなくなってしまうことがあります。


ペン入れには強弱をつけて、背景と同じ太さの線にならないようにしましょう。人物が埋もれてしまいます。たとえば、髪の毛は丸ペンで、輪郭などはGペンで…と、使い分ける人も多いです。ペンは基本的にいつも同じ角度で持ち、原稿の方を描きやすい方向に配置します。変な角度で線を引こうとすると、ペン先がひっかかったり、よれた線になります。新しいペンは、油がぬってあるので、最初の頃はインクが多少はじいたりしますが、すぐになじんできます。あまりインクにつけすぎると、ぼた落ちしますので、適量にしましょう。少し使うと感覚がわかってくると思います。
その他ペン先のトラブル、ペン入れ時のトラブルは、こちらのテクニックページをご覧下さい。

人物のペン入れが終わったら背景。背景は人物を描いてから描くのが基本です。背景に人物がとけ込んでしまわないように、背景は細い線で、人物はハッキリと描くのがいいでしょう。遠い背景は、人物の周りぴったりまで描かない方が良いです。丸ペンなどの細いペンで描く事をおすすめします。
建物等は定規を使って描きます。建物などは意外と見慣れているようでも、実際に描いてみると「あれ?」なんてことがあるので、写真を見ながら描くとか、実際に見に行ってみるとかすると良いと思います。その他背景の描き方はこちらのテクニックページをご覧下さい。

そして効果。ベタフラッシュや集中線などを描きます。こちらの描き方についても、こちらのテクニックページをご覧下さい。

消しゴムがけ

ペン入れが終わって完全に乾いたら、消しゴムかけです。消しゴムは一方方向に動かすと、紙が折れたり、破れたりしにくいです。柔らかめの消しゴムがお薦め。
紙を痛めません。(詳しくは画材ページ)

消しゴムかけが終わったら、ベタ、ホワイト、トーンなどを入れていきます。

ベタ


私は下描きを消してからベタをぬります。はみ出さないようにぬりましょう。
大きいところは油性マジックや、筆で。細かいところは後に残して、細い筆やペンでぬるとはみ出さずに塗れます。

黒髪のツヤベタなどは、筆や、筆ペンを使って描きます。
最初は上手く描けないかもしれませんが、何度も描くうちに慣れてきます。詳しくは、こちらのテクニックページをご覧下さい。
ベタはとにかく、むらなく、キレイに塗りましょう。

ホワイト

はみ出した箇所などをホワイトで修正します。上から描き込む場合は、修正液を使いましょう。
ホワイトは乾きが遅いので、こすったり汚したりしないように注意してください。ホワイトなどについて詳しくはこちらの画材ページに掲載しています。

トーン

貼るところより少し大きめに切ってから貼り、カッターで切るのが普通です。あまり大きく切りすぎると、ゴミが付いたりしてトーンが汚れてしまい、他のところで使えなくなります。細かい所ははがれやすくなるので、メンディングテープなどを貼りましょう。
使いすぎには要注意。
削ったり、重ねたりで質感を出します。
トーンは基本的に、点が45度になる角度で貼ります。(図参照)


普通に1枚を、点が45度の
角度で貼ったもの

同じ45度の角度で2枚
重ねて貼ったもの

少しずらして貼ると、
このようになります。
模様として利用する事も
できますが、モアレと言
い、印刷でつぶれたり、
妙な模様が出て見栄えが
悪くなったりします。

トーンは、カッターなどで
削る事も出来ます。
トーン専用消しゴムや、
目の細かい紙やすり、
カッターの先で削るなど、
方法は様々です。
右図のように、カッターの
先でけずる事ができます。
削り方が上手くいかないと
シートに穴あくので注意。
さらに削りカスなどで
原稿が汚れる事も・・・
トーン専用の消しゴムもあり、ぼかしっぽく削ったりするのに良いです。
トーンを貼り付けて切る時、下の原稿用紙まで切れてしまうという意見を以前頂きましたが、それは力の入れすぎか、カッターがよく切れるために力の加減がわからないからかもしれません。トーンを切る時は独特の感覚がありますので、慣れてくると「トーンだけ切れてる」感覚がわかるかと思います。何度か練習をして、感覚をつかみましょう。そして、カッターの切れ味が悪くなったら、消耗品ですので取替えましょう。カッターについて詳しくはこちらの画材ページにも記載しています。

最終チェック


セリフは通常鉛筆書きで、誤字が無いように注意しましょう。あとは、ページ数をちゃんと記入するのを忘れずに。見落としや、トーンがはがれていたり、セリフが抜けていたり、漢字が間違っていたり…色々見落としがあるかもしれません。可能であれば、他の人に見てもらうと良いです。
ちなみに、ベタの上やトーンの上にセリフを載せたい場合は、原稿にトレーシングペーパーをかけ、そこにセリフを鉛筆で書きます。

なんだか原稿全体が白い。寂しい。そう思われる場合は、コマの背景を見直してみましょう。背景が必要なコマなのにトーンでごまかしすぎると、全体的に寂しくなり、マンガっぽくない雰囲気になってしまいます。

全てのチェックが終わったら、完成です。
投稿する場合、送料は重さによって違うので、郵便局へ持っていって聞いてみましょう。(投稿についての詳細は、投稿する雑誌の応募事項をよく読んで下さい。雑誌によって違います)
できれば郵送より持ち込みを!

その他テクニックと描き方へ⇒


バナースペース